歴史研究家になりたいグウタラ願望の社長のブログ

文具・事務用品・OA機器・スチール家具などを扱う、株式会社マルハチの社長、八木幹雄のブログ。

具足の移り変わり5 江戸時代編

本日9回目の更新です。

ここまで、平安時代からの甲冑に関しての流れを書いてきましたが

最後は、江戸時代の甲冑についてです。

戦国時代の当世具足は、軽く体にフィットした機能的なものでしたが



徳川家康が江戸に幕府を作り、天下を統一すると

戦国時代の様な戦争は起きなくなり

260年もの間、内戦も外国からの侵略もない平和な時代が続きました。

徳川家康などが困窮しながらの平和作りの後

大名たちは、戦争をしませんから、

その子孫たちは、実際に戦争をしたことがありません。

武士は、両国を統治する存在になり

鎧や兜も実践的なものではなく

象徴的なものに変わってきました。


そこで出てきたのが、復興大鎧です。



戦国時代の安価な実践的な物は、下級武士に受け継がれましたが

下級武士と差をつけるためでしょう

より贅沢に、威厳を持たせる為に

鎌倉時代の大鎧に似せた甲冑を各大名旗本は持ち始めました。

これらは、殆ど使用されることなく、飾りとなったのです。

平和な時代なら、その様な物も不要でしたろうに・・・・

そして、もう一つの理由が

鎌倉時代の絵巻などは、多数存在しますが

戦国時代の絵巻や屏風絵などを書いた絵師などは

実際の当世具足を見ることが出来ずに、寺院などの鎌倉時代の絵や甲冑を参考にした為だとも言われています。

その証拠に、鉄砲の戦いで有名な「長篠の合戦図」や「関が原の合戦図」などには

家康など主だった将の具足は鎌倉時代の大鎧で描かれています。

こうして、


鎌倉


室町


戦国

そして


江戸と

元に戻ってしまったのです。

現在の五月人形などは、ほとんど江戸期のお飾り用なのです。

つづく