歴史研究家になりたいグウタラ願望の社長のブログ

文具・事務用品・OA機器・スチール家具などを扱う、株式会社マルハチの社長、八木幹雄のブログ。

文房具屋の棚卸(たなおろし)事情

本日7月1日はマルハチ仮店舗は棚卸の為、臨時休業しております。

一般の方には、棚卸(たなおろし)と言っても馴染みがないかもしれません。

昔、冗談で

「棚に置いてある商品を、棚から降ろして、棚を綺麗に掃除するんだよ!」

などと若い子に言うと、本当に信じちゃって

商売人の常識と一般の方の認識の違いに驚いたものです。

端的に言うと、棚卸とは

その時点の社内の在庫資産がどれだけあるか?算定する行為なのです。

まず、休業中のマルハチ店内を見てみましょう!

店内では20人ほどの従業員が二人一組で、棚にある商品の品番とその数量を棚卸表と言う用紙に記載していきます。

上の写真の例で見てみると

プラスと言うメーカーの

マグネットクリップで品番が80-418と言う商品が2個あり

その商品の定価は480円です。

この情報を一行に記載し、店内の商品すべてを

この方法で数えていきます。

実際、この20行ほど記載できる用紙が700枚以上になります。

単純計算で14000行です。

ちなみに、下の写真の練り消しゴムなどは4種類のデザインですが、同じ定価の色違いですので、1行にすべての数をまとめて記載します。

したがって、店内の商品アイテム数は14000点ではなく

色違いや、鉛筆などの濃さ、デザイン違いなどを考慮すると

膨大な数になると言う事です。

当社の決算月が6月なので、

6月末までの店内の商品の価値がどれだけかを算定するには、棚卸表のすべての商品の仕入れ原価を入れなければなりません。

先ほどの棚卸表の定価に、仕入掛け率を掛けて仕入原価を割り出します。

ただ仕入掛け率は全て同一ではないので、一行一行計算し

仕入原価を出して、その数量をかけて一行ごとの資産価値を算出します。

これを全て合計した金額が、店内の商品の資産となるのです。

ボールペンの替え芯など細かいので、数えるのは一苦労です。

また、二重にカウントしない様に、作業が終わった場所には付箋紙を付けていきます。

年に一回の作業ですが、文房具屋の商品がいかに細かく、多品種で大変なのかが分かっていただけたでしょうか?

とても短時間では終わらないので

棚卸の日は休業させていただいております。

何卒ご理解ください。

 

そしてここからは更に文房具屋さん裏話です。

棚卸の時は極力、商品を数える手間を省く為

その前は、決算セールなどを行い商品を減らし

新商品の仕入れも控えております。

なので6月にご来店したお客様はファンシー商品が少なくなったと思われた方も多かったのではないでしょうか?

実は、ファンシー商品等の商品予約確保はしていても、当店としては棚卸後の7月以降に入荷するように手配していたのです。

また、そもそもファンシーメーカー自体も6月決算のところが多く

新商品出荷が7月以降なのです。

つまりこれからの時期にファンシー系の商品は充実し始めるのです。

皆さんご存じのサンエックスさんなども6月決算なので

これから、サマー商品や年末商品などが続々入荷します。ご期待ください。