歴史研究家になりたいグウタラ願望の社長のブログ

文具・事務用品・OA機器・スチール家具などを扱う、株式会社マルハチの社長、八木幹雄のブログ。

苦渋の決断

本日4回目の更新です。

昨日大河ドラマ天地人」を見ました。

魚津城を救援せず、転進する上杉軍!苦渋の決断です。

見捨てたと言われてもしょうがないのですが、そういう心理状況は良くわかります。


これは、その場に居合わせその立場にならないとわからないでしょうね!

損害を最小限にとどめ、全体を生かさなければならない!

ただ、切り捨てられた側からしたら、必ずしも理解はしないでしょうが・・・・


大学時代、山登りをしてまして

1年の頃は、ただ最下級生として山についていくだけ、楽しいものでした。

2年になると中間管理職、サブリーダーや食糧長、装備長となり下級生の面倒と上級生の叱咤の間で悩む時期

そして、3年生になるとリーダーとしてパーティー全体を統括する立場になります。

そして、この3年がクラブ全体の執行部として、すべてを統括します。

クラブ全体を統括する幹事長

そして、行動計画やらの実戦を指揮する事業部長です。

例年、幹事長と事業部長は人員が足らなくない限り兼任はしないのですが

何故か?私の代では私が兼任してしまいました。

山での経験と人望でしょうか(ちょっと照れるな!)

でも見た目ほど、格好の良いものではありません!

山では、ちょっとした判断のミスが死を招きます。

その事は、私が1年の時、OBの先輩が谷川岳で死亡した事から、よく理解していました。

パーティーを預かる立場だけなら、まだしも

他のパーティーの行動計画を精査し、ミスが無いか事前に審査するのも仕事のうちでした。

ちょっとした気の緩みが死を招く世界です。

食料のグラム数までチェックしました。

わずか100グラムの増減でも、10回食事をする山行では1キロの増減です。

メンバーの体力やらを考慮し、少しでも生還の確率を上げなければいけませんでした。

自分が直接指揮するパーティーなどは、まだ現場での対応で何とかなりますが

自分の手が届かない所では、事前の準備が大切でした。

準備が7割、現場での対応が3割の割合で、成功か失敗かが分かれます。

失敗にも色々とありますが、最悪は「死」でした。

最悪にならないようにするのが勤めなれど

必ずしもそういかないとは言い切れません!

山でパーティーで行動する際に、1人が怪我をして歩けなくなった場合

最低でも、他の3人に負担がかかります。

怪我をした人間を背負う人、怪我人の荷物を自分の荷物のほかに持つ人

そして、けが人を背負う人間の荷物を自分の荷物のほかに持つ人の3人です。

この3人が、下山まで持てば何とかなりますが

途中バテれば、雪ダルマ的に損害は増し、パーティー全滅と言う事にもなりかねません。

こうした時、苦渋の決断があります。

パーティー全体を生還させられないと判断した際に、居残り組と

救助を要請しに下山する組とを分けなければならず、

その際には、情ではなく、力により判断したり

少しでも多くの人員を生還させる事を考えざるを得ませんでした

幸い自分は、部下を死に至らしめた事はありませんでしたが

こういった決断はしばしばありました。

こればかりは、経験しなければ分からないでしょう

下界にいる限り、早々体験できるものでもないでしょうし

現在は「死」を賭けた決断など、通常の生活では早々あるものでもないでしょう。

大不況といっても、生活がかかっているといっても、死が直接かかっている生活はしてません。

ちょっとやそっとのことで「死」はないでしょう。

どうしても、私の判断基準が「死」という部分を基準に考えてしまうので

普通の人とはかけ離れているのかもしれませんが

ある意味、幸せな事かもしれません!


ただ、「苦渋の選択」はしたくないのも事実!

この様な経験をしない限り、そうそう理解は出来ないでしょう。