歴史研究家になりたいグウタラ願望の社長のブログ

文具・事務用品・OA機器・スチール家具などを扱う、株式会社マルハチの社長、八木幹雄のブログ。

空から落ちてきたピー

本日は、私が飼っていたハトのお話しです。

今から10数年前まだ子どももいなかった頃のお話です。

当時内田洋行を退社し、当社に戻ってきて外商営業をしていたのですが

川崎地区の営業担当で、川崎日進町の京急線ガード下を営業車で通りかかり

赤信号で止まっていると、ハトが一匹車道にいました。


(写真を左折したガード下の交差点でした。)

「おーい!そんなところにいたら轢かれちゃうよ!」と思ってみてましたが

一向に飛び去る気配もなく、変に思い車を降りてみると

ポッポッと鳴く事も無く「ピー!ピー!」と鳴いてました。

見上げると、ガードのところにハトの巣がありました。

巣から落ちてきたハトの雛でした。

信号が青になり後ろからプ〜とクラクションを鳴らされていたので

とっさに、営業車の荷台に載せてました。

帰って、当時会社の6階にあった自宅へ連れ帰ると、

子どものいなかった家内が喜んで迎えてくれました。

まだ飛べずに、このままでは死んでしまう雛のハトなので

ピーピー鳴く事もあり、名前は「ピー」と自然につきました。

初日は、段ボール箱に入れて飼ってましたが、暗く狭いダンボールの中で

パニクっていたのでしょう!バタバタとうるさいので、結局放し飼いとなり

おかげで、家中ハトのフンだらけになりましたが

慣れてくると、フンは新聞紙の上のみでしてくれる様になり

朝、6:00には必ず起こしてもくれます。

枕元によってきて、ほっぺたをピーピー言いながらくちばしでつつきます。

ハトのえさと水をやると、喜んで私らの手の平をつつきます。

本当にかわいい奴で、共に働いていた私たちが家を出るときは

玄関まで見送りにきて、帰宅時は鍵の音に反応してか

玄関先までバタバタと寄って来て出迎えてくれました。

家の中で放し飼いでハトを飼っている事など早々無いでしょうが


家内と相談して、いっぱしの大人のハトに成長するまで親代わりを勤める約束でした。

休日タバコを買いに行く時など、まるで連れてってくれとばかりに

ピーは擦り寄って来ます。

「一緒に来るか?」と言うと言葉がわかるのか、私の肩にちょこんと飛び乗り一緒に外出します。

近所の方々は覚えているかも知れませんが

当時、手乗りインコならぬ肩乗りハトでした。

ナウシカの肩にいつも、キツネリスがちょこんと乗っている様に!

よく近所の公園で、飛ぶ練習もしましたが、なかなかうまく飛べませんでした。

近くの総持寺に散歩に行き、他のハトとコミュニケーションをとる練習もしましたが

なかなかハトの社会には入れませんでした。

他のハトに混じっても、明らかにピーの姿はわかりました。

他のハトよりどう見ても一回り小さく、いかにも子どものハトでしたし、

雛らしく、ピーピー鳴いてました。

一ヶ月ぐらいしたある朝、いつもの様につつかれて起きたのですが

ピーの泣き声が、「ポッポッ」と変わってました。

その日、総持寺に散歩して連れて行ったのですが

最初は、私と遊んでいたのが、しばらくすると他のハトと遊び始めました。

もうすっかり他のハトと大きさは一緒でしたが、ピーの姿は、見間違える事もなく判りました。

ピーはすっかり飛べるようになっており、山門の屋根に他のハトと一緒にいました。

いつものように「おーい帰るぞピー」と叫んでも、ピーは仲間と一緒にいて降りてきませんでした。

しばらく、山門の下で様子を見てましたが、これが別れだと気づき

急ぎ家内を携帯で呼び出し、最後の別れをしました。

家内も、涙を浮かべてました

私たち夫婦の最初の子どもでしたから

空から落ちてきたピーは、空に羽ばたいていきました。

大人に成長してくれたピーには感謝してます。色々と思い出をくれました。


今では、私たちには3人の子ども(男2人女1人)がいますが

今でも総持寺でハトを見るとピーの事が思う出されます。

ピーの子孫が私たちの周りにいつもいるんじゃないかと思ってます。