歴史研究家になりたいグウタラ願望の社長のブログ

文具・事務用品・OA機器・スチール家具などを扱う、株式会社マルハチの社長、八木幹雄のブログ。

第51話 奇跡!神仏のお告げ

本日3回目の更新です。

大学時代の心に残るチャレンジの旅を書いてます。

本日は、この旅の歩き始めて8日目の出来事です。


天竜二俣から、浜松の道のりは久しぶりの都会の道でした。

既に8日間も歩き続け、両足は限界状態!


右足は初日の火傷の為水泡ができて痛みましたし

それをかばって歩いていた左足はくるぶしの関節を痛め

30キロ近い荷物を背負っての歩行は辛い有様でした。


それに、私の歩く国道には多くのバスやタクシーも走ってましたし

国道に沿って鉄道が走っていたので

「これに乗っていけば、浜松まで着く!

いっそ、この苦しみから逃れ、横浜に帰ろう」などとも思いました。


よくコントとかで、天使と悪魔がささやくでしょ!

まさにその状態です。



天使は、こうささやきます。

「ここでくじけたら、多くの人たちの声援は何だったの?

申し訳ないと思わないのか?

お風呂に入れてくれた人、街道沿いで励ましてた人

果物やアイスを差し入れしてくれた、郵便局員さんたち

あなたの旅が最後まで無事終わりますようにと弁当に入れてくれた円忠寺さん

皆さんの支えがあってでここまで来たんだから

苦しくても、歩きぬけよ!進めよ!」




そして、悪魔は

「もう8日間も歩いているんだぜ!

足も限界だろ!無理しちゃいけない

応援してくれたみんなだってわかってくれるよ!

それに、浜松城まで車や電車で行っても

既に本来の旅の半分の一週間以上を歩き切っているぜ!

誰にも恥じることなんてないよ」




天使と悪魔を天秤にかけましたが

円忠寺さんのあの

「あなたの旅が最後まで無事終わりますように」というおにぎりに入っていた手紙の

「最後まで・・・」というフレーズが気になり

よし、もう一駅分歩いてみよう

その時、歩けなければ、悪魔に身をゆだねようと

考えまして、最後の力を振り絞りますと

意外に次の駅まで歩けましたが

明らかに疲労と痛みは増してました。

その次は、次のバス停まで歩いて限界なら歩くのを断念しよう・・・・


こんな感じが続いていた時の事です。

交通量の多い片道3車線の道で

向こうから来たワゴン車が突然止まり

お弁当を配達中のおばさんが私に駆け寄ってきました。

そして私にいきなり

「あなた昨日の夜中、岩水寺の上の山道で赤い車に乗らなかった?」

と声をかけてきます。

ん?そういえば昨日山中で助けてくれた人がいたぞ!

と思い出すと

「それ!私の息子!」

とおばさんは喜びながら大声で叫びました。


何で私がわかったのでしょう?

おばさん曰く

息子さんがドライブから帰ってきて

いつもなら翌日の仕事に備え寝ているはずなのに

夜中におばさんがトイレに行くと

息子さんが一人でビールを飲みながら上機嫌に笑っていたそうです。

そして、

「山の中で昔の俺の様なバカがいてね!

でもバカは強いよ!やつはきっとやりきるぜ!

大いなるバカに乾杯!」


とまるで宝くじが当たったかのように、私との出会いを嬉しがっていたそうです。



その話を聞いて

思わず涙があふれてしまいました。

昨日の男性の母親に会うなんて・・・・・

それも、都会の真ん中で交通量がこれだけ多いのに

その中で私を見つけて、声をかけてくれたんですから

偶然と言うか、奇跡にしか思えませんでした。

「頑張ってね!」とワゴンで去っていくおばさんを思わず拝んでしまってました。

信じられない事でした。

数十キロも離れた場所で出会った人の母親が、

交通量の多い都会の真ん中で私を見つけて来るなんて・・・・・

きっと神仏が、私のくじけそうな心を察して

この親子を私に差し向けたに違いないと・・・・・・

天は我に歩けと進めと言っているのだと



こうなると、無敵でした。


歩くか止めるかなどと言う選択肢は自分には無い!

私を応援してくれている願いに答える為にも

やるっきゃないのだと!

つづく