歴史研究家になりたいグウタラ願望の社長のブログ

文具・事務用品・OA機器・スチール家具などを扱う、株式会社マルハチの社長、八木幹雄のブログ。

雪山のテント

本日4回目の更新です。

前の記事で大学時代の雪山の話を書きましたところ

自分の中でそのときの記憶がつぶさによみがえり

ついついこの話を書きたくなりました。

今度は雪山でのテント生活を書きたいと思います。


冬用のテントは内張りがあり、二重構造になっています。

まず、テントを張れる場所を探します。

平らで安全な場所を探し、そこを皆で踏み固めます。

それから、テントを張るのですが

事前に地上で何度もテントを張る訓練やアイゼン、輪かんじきを履く訓練をします。

5分で出来たら、次は4分と段々時間短縮をして

短時間で作業が出来るように指示しますので

後輩などからは、文句ブーブーですが

それらの訓練が実戦では、大いに役立ちます。

テントを張り上げると、スコップで両サイドの入り口付近を

最低でも60センチくらいは掘り下げておきます。

このバケツが後で役に立つのです。

として、キスリングと言うザックなどから必要な装備をすべて出しまして

テントの中に入れます。

テント内では何とか凍らない温度ですが

テントの外は、氷点下の世界ですので

食料はもちろん、水などもすべて持ち込みます。

雪山のテントの中は、わずかなストーブの暖かさで暖められますが

燃料を極力消費しないようにする為

食料も、事前に地上で調理しペミカンなる物を作っていきます。

例えばカレーであれば、野菜と肉を炒めて、ラードを思いっきり入れまして

これをビニールで2重構造にした牛乳パックに入れ

冷凍庫で固めて持っていくのです。

雪山では、大鍋に水を入れこれを沸騰させて

お湯にしたところに、このペミカンを放り込み

戻した後で、カレーのルーとかを入れるのです。

脂っこく地上ではとても食べられたものではありませんが

雪山では、調理時間短縮と燃料消費を押さえるのと

体力回復の為のエネルギー補充には最適な料理です。

これらの料理を食べた後、例によって酒盛りが始まります。

そして寝るときにはシュラフ(寝袋)の中に自分の登山靴を一緒に入れ

抱いて寝ます。

こうしないと、翌日靴や靴紐が凍って履けなくなるからです。

しかし、雪山の夜はこれで終わりません。

雪が降っているか如何に関わらず

夜中の1時から2時には起きて雪下ろしをします。

これをしないと、雪の重みでテントがつぶれる事もあるのです。

真夜中の雪下ろし作業は、マイナス16度とかの世界

外に出た瞬間に、まつげの水分が凍りつく

そういった世界です。

時には吹雪いて、体感温度ははるかに低くなります。

入り口付近のバケツさえも、新たに降り積もった雪でうずもれています。

これを再度掘っておかないと、テントから出ることも出来なくなるのです。

雪山の世界は過酷ですが、その苦労に見合う体験も出来るから

止められないのですがね!