歴史研究家になりたいグウタラ願望の社長のブログ

文具・事務用品・OA機器・スチール家具などを扱う、株式会社マルハチの社長、八木幹雄のブログ。

冬の富士山

本日2回目の更新です。

元F1レーサーの片山右京さんの同僚2人が富士山で亡くなりました。

謹んでご冥福を申し上げます。

さて、私も大学時代山登りをしていて

雪山も多く行っていましたが

やはり、片山さんと同様、富士山には訓練で行ってました。

本格的な雪山に行き前に

必ず、新雪を掻き分けて道を作り進むワッセル訓練と

アイスバーンの状態の山道をアイゼンを付けて歩き

滑落したときの為にピッケルだけで止まる滑落停止訓練をします。

実は、夏の富士山は登った事が無く

12月に正月山行前のアイスバーン訓練として

雪上訓練として富士山には毎年登ってました。

一合目の馬返しという所から登り始め

5合目周辺で、ベースキャンプを張ります。

ここから、訓練に必用な装備と、最小限の装備を持ち

8合目あたりの斜面で滑落停止訓練をするのです。



冬の富士山の上の方は、白い銀世界ですが

これは、雪ではないのです。

富士山はひとつだけポツリとある単独峰ですから

周辺からの風邪をモロに受け

その雪の表面は、アイスバーンとなり

登山靴の裏に金属製のアイゼンをつけなければ

登る事などできません。

そして、ここで滑落すると

傾斜の激しい氷の斜面を落ちるのですから

半端じゃなくスピードが出ます。

ここで、足を突いて止まろうとするものなら

一回転して大怪我をしますので

腹筋背筋を使って、体を回転させ

斜面に這い蹲るようにうつぶせ状態になり

足を上げて斜面に突かないように

ピッケルだけで、止まるのです。

もちろんこの訓練の際には

ヘルメットもしますし、ザイルも付けて、バディがそれ以上落ちない様に配慮もしますし

訓練斜面の下方には、バケツと言って止まるように

横一線に溝も掘ります。

こんな訓練をしてから、どんな状況でも対処できるようにして

冬山に行くのです。

片山さんたちがやろうとしていた事がわかりますが

ただ、週末であれば冬のこの訓練は

多くの人たちであふれていまして

訓練斜面を探すのが困難になるほどでしたので

遭難して、周りの誰かが助けてくれたはず・・・・・・

でも、他の人たちがいなかったのならば

天候がよっぽど悪く、結構無謀なチャレンジをしたのかもしれません。

それほど過酷な所ですし

わたしも、この滑落停止訓練中にピッケルがあごに刺さり

その後が今も、あごに1本傷跡としてあります。

気温も寒気の到来でマイナス20度くらいで

体感温度ははるかに下回っていたでしょう。

汚い話ですが、風も激しく、トイレがないため、

外で、用を足すと、吹き上げの風で

出したものが、自分に降りかかってくる有様ですから

なんにしても、冬の富士山は

外目で見るよりはるかに厳しい世界なのです。